挨拶?、規則正しい生活?

道徳の話というよりも

塾や学校では、道徳的なことが強調されることがあります。代表的には以下の4つです。

  1. 規則正しい生活をすること
  2. 正直であること
  3. 約束を守ること
  4. 挨拶をすること

これらは、大まかに2つの文脈ぶんみゃく1で言われることがあり、

このような言われ方をすることがあります。ただ、理由が語られることはまずありません。「人としてどうあるべき」かは私にはわかりません。しかし勉強という観点で見れば、これらには確かに理由があります。

規則正しい生活

「明日から本気出す」

規則正しい生活が嫌いな小中学生は多いです。 しかし、大人は規則正しい生活が重要であると多かれ少なかれ知っています。 それは道徳的な理由ではありません。もっと明確な損得の話です。

例えば、「明日から本気出す, 明日から頑張る」という言葉がありますね。 ダメ行動の代表的なものということで、しばしば揶揄やゆ2されます。

その明日はずっと来ません

ただ、「明日から本気出す」の明日はずっと来ません。なぜなら、それは非常に難しいことだからです。 怠けているとか、だらしないとかそういう問題ではありません。 「明日から本気を出す」のは信じられないくらい難しいことなのです。 断崖絶壁だんがいぜっぺき3があるとも言えます。

意志の力でシナイをスルに切り替えること自体が難しいのです。 大人はそれを身にしみて知っています。 難しいので何とか苦しくないようにスル工夫をします。 規則正しい生活は、その工夫です。


つらいことは小分けする = 平準化

シナイ を スル に切り替えるのは非常に難しいですが、これを少しでも簡単にする方法の一つが平準化へいじゅんかです。

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大量にある仕事がある時、それを目の前にすると、どうしたって苦痛です。どう考えても終わる気がしません。でも、大量に仕事があるのなら「分ければ」良いのです。

  1. 100個の仕事を5人でする。1人20個で楽になる。
  2. 100個の仕事を5日でする。1日20個で楽になる。

この時、分けたそれぞれが「同じくらいの量」であるのが楽をするコツです。 5人で分けた時、それぞれの仕事の量が違っていたら不公平で不満が出ます。 だから、平等である必要があります。

今日の自分と明日の自分は別人です。 明日の自分に不公平にならないように割り振りましょう。

規則正しい生活とは楽をする手段

規則正しい生活は、道徳ではなく、明確に利点があります。 それは、たくさんある辛い仕事を楽にするための工夫です。 不規則な生活というのは、要するに「いつも決断し、我慢し、行動に移す」という修羅しゅらの道4を自分に課しているのと同じというわけですね。

勉強しない日を作らないようにしましょう。まずは30分でも1時間でも構いません。 勉強しない日を作らないことが大事です。


  1. 文脈: 文のすじみち。文章の流れの中にある意味内容の続きぐあい。 

  2. 揶揄: からかってあつかうこと、皮肉めいた批判によってあざ笑うこと 

  3. 断崖絶壁: 切り立った非常に険しいがけ。超えられない困難のたとえ。 

  4. 修羅の道: 阿修羅道あしゅらどうの略。争いや怒りの絶えない世界。また、そういう生存のあり方。