しばしば「やる気が出た」「やる気が出ない」とよく言いますが、毎日やる気に満ち溢れている人なんかいません。毎日やる気一杯で頑張っていたら疲れてしまいます。
つまり、一日のほとんどの時間が「やる気がない」状態なのです。従って「やる気がある / ない」は問題になりません。「やる気がなくてもスル」方が普通で正しいということになりますね。
では、やる気がない時に、それでもするにはどうしたら良いでしょう。最も簡単な方法は「いつも同じ時間、同じ場所でする」ことです。
人は動作の切り替えに大きな苦痛を感じます。
そんなに都合よく、何かをやめて、面倒くさい何かに向かえるものではありません。この動作の切り替えには強い意思の力が必要です。それは難しいことです。
この動作の切り替えの苦しさを少しでも楽にする方法が「決まった時間に決まった場所でする」です。時間も場所も決まっているのですから、強い意志の力で決意する回数が減ります。
まず勉強を細切れにしないようにしましょう。例えば、一日の中で勉強する回数やタイミングがバラバラである場合、決意する回数が増えてしまいます。逆にまとまっていたら、決意の回数はたった1回で済みます。
回数がばらばら | まとまっている |
---|---|
ゲームする | ゲームする |
youtube を見る | youtube を見る |
決意! ちょっと勉強する | 決意! ちょっと勉強する |
ご飯を食べる | ちょっと勉強する |
決意! ちょっと勉強する | ちょっと勉強する |
犬と遊ぶ | ご飯を食べる |
決意! ちょっと勉強する | 犬と遊ぶ |
3回も決意するのは大変です。辛いです。
勉強を始める時間をバラバラにしてはいけません。もし一日の中で勉強する時間が決まっていないのなら、その勉強の前に何をしていたかで、決意の種類が変わってしまいます。
一昨日 | 昨日 | 明日 |
---|---|---|
ゲームする | ゲームする | 犬と遊ぶ |
youtube を見る | 犬と遊ぶ | ゲームする |
ご飯を食べる | ご飯を食べる | 決意! 勉強する |
犬と遊ぶ | 決意! 勉強する | ご飯を食べる |
決意! 勉強する | youtube を見る | youtube を見る |
何を止めて勉強するのか、毎回毎回、「違った苦しさの決意」が必要になります。犬がもっと遊んで欲しそうなのにスル、ご飯を食べて眠いのにスル、ゲームが良いところなのにスル、違った決意をするのは辛いものです。
何かをした後 (たとえばご飯を食べた後) に決まってするようにすれば、決意の種類は変わりません。苦しさが減ります。
勉強する日と勉強しない日がバラバラだと、もっと大変なことになります。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
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ゲームする | ゲームする | 犬と遊ぶ | ゲームする |
youtube | 犬と遊ぶ | ゲームする | 犬と遊ぶ |
ご飯 | ご飯 | youtube | ご飯 |
犬と遊ぶ | 大決断! 勉強 | ご飯 | youtube 見る |
ゲームする | youtube 見る | youtube | 大決断! 勉強 |
勉強から勉強までの距離が遠くなるので、「勉強するという決意」は、もはや決意というより大決断です。楽しいことで埋め尽くされているので、それを中断するのは強い強い苦しみです。
更に「習ったこと」もほぼ全て忘れてしまっていることでしょう。他の人よりもずっと長い時間がかかるようになり、わからない苦痛を感じることにもなります。勉強が嫌いであるのなら、もっと嫌いになってしまいます。
決まった時間に決まった場所で勉強するようにすれば、決意の回数も種類も程度も変わりません。つまり、「動作を切り替える」という一番の苦痛を和らげることができます。
この3つを心掛けると、「やる気のない普通の状態」で勉強しやすくなります。