期限のある勉強や仕事は多いものです。その際、逆算で管理することも覚えましょう。逆算で管理するとは、「あと何日、準備に使えるか」を考えるということです。
例えば、定期試験まで残り1ヶ月、30日あるとします。「1ヶ月もある、まだまだある」と思いますよね。しかし、実際にはほとんど時間が残っていません。なぜでしょう?
まず、その30日間で、最優先に必要となることを書き出してみましょう。 やはり最優先は提出しなければならない問題集です。 ページも仮定しておきます。
- 数学のワーク 2冊 30p
- 英語のワーク 2冊 20p
- 理科のワーク 1冊 15p
- 社会のワーク 1冊 15p
- 国語のワーク 3冊(!) 20p
全部で100p になります。この段階で勘のいい人なら気がつくでしょう。30日で100pですから、1日3p 以上しないと終わりません。1pに20分は掛かるとしましょう。 つまり少なくとも 60分 は掛かります。 この間、勉強しなくて良い日は1日もありません。毎日必ず1時間しなければ絶対に終わらない、と推測できますね。
しかし、これではまだ計算が甘いと言えます。 この30日は絶対の期限です。余裕が全くありません。 4~5日の余裕がないと、何かあった時に困ります。 従って、安全のため、5日の余裕を見て、残り25日とします。 計算してみましょう。
- $30-5 = 25日$ 、残り25日ある
- $100p \div 25日 = 4p$、1日に4ページ必要
- $4p \times 20分 = 80分$、1日に1時間20分必要
つまり、「25日間、休みなしで、毎日4ページ、1日に1時間20分はかかる」とわかります。これを少しでも下回ると終わりません。
しかし、これではまだまだ計算が甘いと言えます。 間違えた問題を覚え直したり、教科書を確認したり、やり直したり、そういう時間は不要でしょうか?。絶対に必要ですね。
そもそも、「出来なかった問題を出来るようにすること」が実力をつけること、勉強です。間違いを放り投げるだけであるのなら、何一つ実力は付きません。
仮に「3割は間違える、やり直しの時間は同じだけかかる」とすると、どうなるでしょう。
- $30-5 = 25日$、残り25日ある
- $100p \times 1.3 = 130p$、3割間違えるから130p
- $130p \div 25日 = 5.2p$、1日に5.2ページ必要
- $5.2p \times 20分 = 105分$、1日で1時間45分必要
つまり、「25日間、休みなしで、毎日5p以上、1時間45分はかかる」。とわかります。これを下回れば、不完全な状態で期限切れです。
スケジュールは、時間や内容を決めて細かく予定を決めていくことだと思っている人が多いですが、そんな守れない細かいことよりも、まず「未来を予測」しましょう。
そして、この未来の予測には、小学生の時の、割合や単位あたり量の感覚が必須になっていることがわかります。つまり、勉強は、ちゃんと他の勉強の役に立っています。大人になっても、この逆算のスケジュール感覚は役に立ちますよ。